【転調】平行和音を用いた転調と作曲

今回は平行和音を用いた転調についてみていきます。

平行和音とは

平行和音とは、同じ種類のコードを平行移動させたものです。コードの種類にはメジャーセブンやマイナーセブンス、シックスコードなど数多くありますが、この同じ種類のコードを、音程関係を維持したまま=コードの種類が変わらないまま進行させていくのが平行和音です。

「Dm7→Em7→Fm7」などがその例で、4和音にするとその特徴がよりハッキリとします。onコードでも同様に成り立ちます。「CM7onE→DM7onF#」

平行和音を用いた転調とは

平行和音を続けていくと、自然に調を抜け出す事が出来ます。全音で移動するパターンや半音で移動するパターンなど自分で一定の規則を意識して構築してみましょう。短3度や完全4度などのインターバル間隔での進行も可能です。平行和音は、同じ種類のコードを使うという規則さえ守ればいろんなパターンが可能です。

平行和音は調を外れた音が連続したり、調が不安定で変化が激しい響きとなる場合があります。コードの変化や違いが大きく感じる分、メロディーの動きを控えめにするなどしてバランスを取るなど調整しましょう。

ブロック単位での平行和音について

ドミナントセブンスコード(V7)の平行和音は、普段使いのV7のコードと同様に、ツーファイブ(IIm7→V7)に分割できます。そのツーファイブを一つのブロックのカタマリとして平行和音を連続させることができます。それぞれ使えるメロディはツーファイブ部分のスケールに由来します。

また、ツーファイブに限らず「III-IV」といった自分で決めたコードの連結を一つのブロックと考え、それを連続させることも可能です。この場合もどのコードスケールを使っているのかをしっかり意識します。メロディも全く同じ形のものを繰り返し反復してメロディごと平行移動させる方法もあります。

平行和音の活用例

平行和音はドビュッシーなどにその用法が多く見つかります。連続して多用することで長調・短調の縛りから脱することが出来ますし、平行進行でダイアトニックコードからはみ出る音を使うことが出来ます。ホールトーンなど特殊なスケールに沿って平行進行することで音楽に統一性を与えることが出来ます。