コアなゲーム音楽ファンに人気のドンキーコングシリーズの音楽。今回はスーパーファミコンで出たスーパードンキーコング3のサントラのレビューする。ドンキーコングのサントラはプレミアがつきやすく、特に希少とされている。私の場合は運良くプレミアがつく前に定価でAmazonで買えたが、なかなか手に入らない人も多いと思う。全体的にジャジーで大人向けの音楽で、静かでしんみりとさせる曲が多め。リズムとビートに創意工夫する西洋風の楽曲作りの参考になる。
Youtube・動画資料
・https://www.youtube.com/results?search_query=donkey+kong+country+3+ost
楽曲レビュー Disc 1
01 FANFARE 0:18 ☆
・始まりを感じさせる出だしと、どこかしんみりとしたシリアスな最後が印象的。
02 DIXIE BEAT 1:42 ★★☆
・コング達(プレイヤーが操作するキャラ達)の声が入り混じった明るい出だし。独特の世界観を序盤に表現。その後は明るいビートとノリを刻んでいく。イケイケドンドンの明るいノリ。ドンキーコング3の作品世界の躍動感が最も出ている楽曲。
03 CRAZY CALYPSO 1:22 ★★
・こちらも明るいリズムとノリが特徴。DIXIE BEATよりは軽いノリが特徴。Nintendo64ソフトの「ディディーコングレーシング」にもこうしたノリの楽曲がある。
04 NORTHERN KREMISPHERE 2:31 ★★
・もの静かな音楽。全体マップで世界の広大さ、雄大さを示している。どことなくシリアスな曲調。
05 HANGIN’ AT FUNKY’S 2:20 ★
・大人っぽさが色濃く出たジャジーな曲。複雑なリズムを強調した楽曲。
06 WRINKLY’S SAVE CAVE 1:06 ★★+
・しっとりとした力強いリズム、ビートを前面に出した大人向けの楽曲。リズムでも充分に雰囲気や世界観、曲を作ることが出来ることを示した良い例。
07 GET FIT A-GO-GO 1:00 ★
・こちらもしっとりとした強いリズム、ビートを押し出した曲。
08 WRINKLY 64 1:40 ★
・どこか懐かしいメロディが特徴。レトロ感、ノスタルジー的な楽曲。
09 BROTHERS BEAR 1:24 ★★
・明るいリズムや弾けるノリが特徴。ノレるリズム。
10 SUB MAP SHUFFLE 2:20 ★☆
・フィールド曲。どことなく物寂しい静かな曲。
11 SWANKY’S SIDESHOW 2:13 ★★☆
・明るいノリとリズムでイケイケドンドンな曲。序盤のイントロからノリノリのリズムに移行するのが気持ちいい。ジャジーな楽曲。
12 CRANKY’S SHOWDOWN 1:01 ★
・SWANKY’S SIDESHOWの楽曲をひときわ怪しく、恐怖感を煽るようにしたイメージ。
13 SHOWDOWN WIN 0:07 ☆
・大人向けのジャジーなエンド効果音。
14 SHOWDOWN LOSE 0:11 ☆
・昼下がりの気だるい感じの曲。
15 BONUS TIME 1:50 ★★★
・ノリノリのジャジーな楽曲。テンション上げ上げで気分も高まる。
16 BONUS WIN 0:05 ★
・ボーナスゲームの終了の曲。
17 BONUS LOSE 0:07 ☆
・がっかり、ボーナスゲームで敗退してしまった曲。
18 STILT VILLAGE 2:32 ★★★
・のんびりと散策している気分。どこか明るいお茶目な楽曲。
19 MILL FEVER 3:07 ★★★
・どことなく怪しい雰囲気。リズムがノリノリで何かを企んでいる雰囲気。ジャジーなリズム。
20 JANGLE BELLS 2:18 ★★
・クリスマスソングのような楽曲。どことなくノスタルジーで暖かい雰囲気。
楽曲レビュー Disc 2
01 FROSTY FROLICS 2:36 ★☆
・影を感じさせる曲。静かでジワジワ。でも冷静に探索を続けていくイメージ。
02 TREETOP TUMBLE 2:42 ★☆
・怪しげなリズムと雰囲気。シリアスで荒涼としたイメージ。
03 ENCHANTED RIVERBANK 3:03 ★☆+
・どこか未来的なノリ。ワクワクさせる感覚。
04 HOT PURSUIT 3:29 ★☆
・熱いリズムを打ち出していく感覚。
05 WATER WORLD 3:09 ☆
・暗く、悲しい曲。水中の怖さ、息苦しさ。
06 CASCADE CAPERS 3:16 ★☆
・どことなく荒涼とした世界。中盤、意を決して前に足を踏み出し進んで行く感じ。
07 NUTS AND BOLTS 2:36 ★
・いかにもなゴツいダンジョン、廃工場探索のイメージ。アメリカンロックテイスト。
08 POKEY PIPES 2:41 ★
・静かでジワジワくる楽曲。どこか宙に浮いたような感覚。
09 ROCKFACE RUMBLE 2:47 ★★★★
・ノリの良いリズムとビート。荒涼としたステージの中をテンポ良く駆け回っていく感じ。曲を構成するブロックの切り替えが分かりやすい。リズムが好き。
10 JUNGLE JITTER 3:05 ★☆
・ゲーム中に登場するモンキーたちの笑い声で始まる曲。楽しい雰囲気から徐々にどこか怪しげなノリに変化して行くのが面白い。いたずらっぽさがよく出ている。
11 CAVERN CAPRICE 2:39 ★
・怪しさと危険さが隣り合わせ的な楽曲。
12 ROCKET RUN 2:17 ★
・アラームがずっと鳴っている、どこか恐怖心と焦りを感じさせる楽曲。テクノ的、未来的。緊急事態を示す曲の参考にこういう曲もあるのだ、と見本とすることが出来る。
13 BOSS BOOGIE 1:50 ★
・威圧的でどっしりとした重たいイメージ。
14 CRYSTAL CHASM 1:44 ★☆
・開放的。空気感とどこかミステリアスで謎が残っている感覚。
15 KREMATOA KONCERTO 1:54 ★
・重たい曇り空の中のイメージ。それでも前に進んでいくぞっていう感覚。
16 BIG BOSS BLUES 2:02 ★
・強い者との対峙、目覚めてはならない恐怖との対決。
17 MAMA BIRD 2:02 ★
・フワフワとした幻想的な、夢心地の雰囲気。でもどこかシリアス。何か問題か解決していない、それを解決しないとっていう心理状態。
18 CHASE 0:56 ★
・激しいチェイス。タイトル通りの楽曲。走るビート。
19 BADDIES ON PARADE 2:00 ★
・金曜の夜、嫌なことは忘れてビールでも飲んで楽しもうぜ！っていう雰囲気。
20 GAME OVER 0:17 ★
・とてももの悲しい。本サウンドトラックアルバム曲全体の中では極めてメロディアス(歌謡曲的)な部類の曲。
総評
ジャンル： ジャズ、西洋、アメリカン
曲調：シリアス、ダーク、ブラック、リズム、ビート、シンコペーション
ジャズ音楽や黒人音楽のリズム、ノリが全体に散りばめられたサウンドトラック。個人的にスーパーファミコンで出たドンキーコングシリーズの音楽はドンキーコング2が一番気に入っている。このサントラを定価で買った当時、既にドンキーコング2のサントラはプレミアがついて子供だった自分には手が出せなかった(サウンドクリエイターで活躍している私の知人は当時ドンキー2のサントラを定価で買っていて、家にあると言うからうらやましい)。ドンキーコングシリーズのサントラ全体に言えるけれど、廃盤になってからプレミアがつきすぎてYoutubeなどでしか聴く機会が無い。Youtubeだってファンが勝手に投稿した物だし、いつまで楽曲を載せ続けられるか分からない。
本作は雰囲気重視で、リズムとノリを前面に出した楽曲が多い。これは西洋風の楽曲の特徴。日本人は歌える動きがあるメロディ的な、歌謡曲的な楽曲が好きなので、その点で言うとメロディアスな楽曲が多いドンキー2のサントラの方が人気があるかも知れない(実際大乱闘スマッシュブラザーズでドンキーコング関連の曲では2の曲が多くアレンジされている)。
CD情報
Composition(作曲者):
Eveline Fischer: 1.01, 1.04, 1.05, 1.10-14, 1.18-20, 2.01-20
David Wise: 1.02, 1.03, 1.06-9, 1.15-17
A & R Director : Kentaro Matsumoto (TJC)
Mastering engineer : Kenji Abe (Tokyo CD Center)
Mastered at Tokyo CD Center
Design : Reiko Takabayashi
Special Thanks : Shuji Kawaguchi (Nintendo) , Isao Yoneda (Nintendo)
Catalog Number TKCA-71091
Release Date Jan 22, 1997
Publish Format Commercial
Release Price 3500 JPY
Media Format 2 CD
Classification Original Soundtrack
Published by Tokuma Japan Communications
Composed by Eveline Fischer, David Wise
参考・出典
・Super Donkey Kong 3 Mysterious Kremis Island Original Soundtrack (VGMdb)
