イコライザー(EQ)のQ幅などについての知識をまとめておきます。
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イコライザー(EQ)のQ幅とはなにか
EQとはイコライザー(EQualizer)のことで、等しくするという意味を持ちます。
サウンドは周波数の集まりの波形データとして扱われ、周波数ごとに等しくデータを整えるという意味でEQの作業が行われます。
EQの中でQ幅(Q値)というのがあり、これは操作したい周波数の幅を調整する項目です。
ヴィンテージタイプのEQでは目でカーブが確認出来ずに実感がわかりにくいですが、それ以外のイコライザープラグインなどではカーブが目で確認出来る形で調整できるため、Q値とはどういうものか実感がしやすいでしょう。
Q値と音域について知る
1.44が音域で言うと1オクターブにあたります。
男性・女性の発生音域は1.5オクターブあります。
Q幅を狭めてノイズを探したりします。
ヴィンテージEQの質感、味を出すには
ヴィンテージEQはカーブが視覚的に見えないので、Q幅の知識を使って調整します。
例えば1000Hzを3dB(デシベル)ブーストしたら、そのピークの3dB下(ここでは0dB)のバンド幅の広がりを数値化しているのがQ幅の数値です。数値が大きいとQ幅が狭くなり、数値が小さいとQ幅が広くなります。
まずQ幅が「1,44」の時はオクターブのバンド幅を持っていることを基準にして覚えてしまいましょう。2オクターブなら半分の「0.67」、半オクターブなら2倍の「2.9」です。
Q幅 バンド幅
115.4: 1/80oct
57.7: 1/40oct
17.3: 1/12oct(半音)
2.9: 1/2(半オクターブ)
1.44: 1oct(1オクターブ・基準値)
0.67: 2oct
0.40: 3oct
0..267: 4oct
0.182: 5oct
0.127: 6oct
0.089: 7oct(概ねピアノの全鍵盤の広がり)
実際によく使うのは
Q幅 バンド幅
2.9: 1/2(半オクターブ)
01.44: 1oct(1オクターブ・基準値)
0.67: 2oct
0.4: 3oct
あたりの設定で、半オクターブの広さなら2.9、2オクターブなら0.67、3オクターブなら0.4と覚えておくと楽です。マスタリングでは過剰に帯域を破壊しないために、このようにQ幅が制限されているタイプが多いです。細かく弄りすぎると音像が崩れるからでしょう。
アナログモデリングタイプのEQはQ幅の設定が出来なかったり、出来ても大雑把にしか出来ないものがありますが、そういうタイプは最初から美味しいポイントを押さえていたり、あるいは適切な動作(ゲインに応じてQ幅が自動で変化するなど)をするものもあり、慣れてくるとヴィンテージタイプの味を上手く使えるようになります。音色の面でもEQによって倍音が付加されるものもあり、使っているEQによってきれいな音色を出すのに有利な時もあります。