今回もミキシングの知識を雑多にまとめます。個人的な学習メモです。ピンクノイズはミキシング工程で必ず知っておくべき概念なので何度もメモをしています。
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ピンクノイズはあくまで目安だということを忘れずに
ピンクノイズは基準となる波形ですが、それぞれ意図したい曲のジャンルによって調整は異なりますから、楽器の相互関係が最も重要となります。楽器やパートの受け持つそれぞれの役割を引き立たせるように調整していきます。特に似た音域・音色の楽器が複数使っている時には注意が必要です。
また、緩やかな右肩下がりの波形がピンクノイズですが、元々録音されたの音が既にピンクノイズの波形に適合しているときも在り、闇雲に音をいじればいいという訳ではありません。
パンニングとは?
パンニングの項目のL/Rがそれぞれ左と右を意味します。M/Sがミドルとサイド、真ん中と横を意味します。サイドにするとは、例えば左にしか出ない音が作れます。Sはサイドの成分だけ調整します。例えばある楽器のパート、シンセAはモノラルっぽい響き、など色々出来ます。
DTMで残念だと言われてしまうのは、全部の音をステレオにしてしまい、音がダンゴになってしまう事です。ダンゴとは、音の分離がはっきりしていないということ。すべてステレオ出力に設定してしまうと音同士がぶつかってしまいます。
録音された音がモノラルの場合、ステレオで鳴らすのは避けた方が賢明です。使用している音源がモノラルかステレオかどうかの判別は、アナライザーを用いて、スペクトラムでモノラル、ステレオを表示させれば判別出来ます。
Mid/Sideは基本モノラルデータになります。ベースなどはシールド一本の音ですからモノラルじゃないといけません。ステレオでベースを鳴らしてしまうと、低音が広がったベースになってしまいます。
リバーブ、リバランスリバーブ、演算リバーブ、コンボリューションリバーブについて
リバーブとは反響効果のことです。
ホールの音は約1.8秒響きます。
リバーブではプリディレイが最も重要です。プリディレイとは、初期反射音のことを意味します。MIXの工程ではこの初期反射音が最も重要です。たとえば声優が耳元でささやくような音が欲しいとの注文があれば、約30cmの距離感をプリディレイの設定で作り上げることがあります。
音の速さは秒速340mです(約18°の環境)。光は秒速30万m、月まで1.3秒です(月は38万km離れている)。
音と光は合いません。音は遅いのです。そのため、音は遅れるという自然現象を再現できるように音作りをしていきます。リバーブとか反響の設定はすべて自然現象を常に念頭に置いて調整します。
コンサートホールの大きさは1秒340mです。ヤッホーのこだまは170mで0.5秒で返ってきます。
プリディレイは1秒で、17メートルを想定した広さとなります(100ミリセック)。そこから逆算し、8.5メートルを想定したい場合は半分の50ミリセックの設定にします。
アーリーテイルはERといい、初期反射(最初に響く音)の事です。テイルは尻尾という意味で、終わり際のグウァーンという響きを持ちます。
リバーブのタイプは実際の空間を模倣したリバランスリバーブと数学的に演算して空間を演出したコンボリューションリバーブの二つの種類があります。
・リバレンスリバーブの方がリアルさを出せます。ホールでの録音環境を忠実に再現しているからです。その代わり、現実にない環境の音は作れない欠点があります。絵画でいえばリアルな写実的な絵です。
・演算リバーブは数学的演算でリバーブを作り出します。仮想の空間も想定して、実際にはない空間の音響効果を作り出せます。絵画で言うとイラスト、絵、ファンタジーな理想空間、非現実空間を作り出せます。コンボリューションリバーブは演算リバーブとのハイブリッド機能を持ち、あらゆる空間のリバーブを作り出します。
相互関係で音のスペースを作る
ミキシングの基本は音がぶつからないように操作することです。例えばベースのいる音域に音があれば、ローカットを用いて音を減らし、音が入るスペース・場所を作ります。
ミックスが上手くなると音選びも上手くなる
MIXが上手くなると、音選びも上手くなります。しょぼい音もイコライザーでうまく調整してやれば音が劇的に良くなる場合もあります。
リンク集
・http://sleepfreaks-dtm.com/for-advance-cubase/curveeq-cubase/
CubasePro付属のCurveEQで、ピンクノイズの波形に合わせるテクニック。リファレンスの周波数分析など。
・https://www.izotope.com/en/products/master-and-deliver/ozone.html
オゾン。ピンクノイズと各楽器に自動でピンクノイズに補正する機能に優れている。