現代ではゆっくりとした曲調でも16ビートの曲は普通に使われています。かつては特別に複雑な音楽とされてきた16ビート。現代では中心的な存在になってきています。
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16ビートならではの組み合わせ
16ビートの曲とは16分音符の細かさを基準とした発音リズムが登場する曲のことです。オモテとウラがありますが、その両者にも普通に16ビートのリズムが入っている楽曲です。
ハイハットが16分音符で連打されていれば、それだけで16ビートの最低条件をクリアしている事になります。ただ、基本的にはバスドラムもスネアドラムもちゃんと16ビートのリズムを組み込んでいるものが多いです。ハイハットだけで16ビートを刻むのは印象が弱いからです。
最低限バスドラムとスネアドラムを16ビートとして聴かせるには、1拍、3拍の強拍がジャストタイミングで鳴っていたとしても、8分音符のウラのタイミングでバスドラムを鳴らせていれば16ビート的なリズムになります。
16ビートの特徴を持つ重要な点をピンポイントで絞り込めていれば、バスドラムだけのリズムといった極めてシンプルな楽曲でも16ビートの印象づけができます。
16ビートのバスドラムの連打
16ビートはエイトビートに比べて短い音符が使えるため、バスドラムの連打可能な回数は増えますが、現実的にはツインペダル(左右どちらの足でもバスドラムを叩ける)など特殊なセッティングを求められたり、リズムマシンを使用しなくてはならないためオーソドックスなアレンジでは多用しない方が良いでしょう。
16ビートのシンコペーション
16ビートのシンコペーションは16分音符ぶんのずれ込みが標準ですが、8分音符や付点8分音符のシンコペーションも使用可能となります。ただ、8分音符系のリズムはあくまでもエイトビートを強く連想させるものであり、16ビートのずれこそが最も16ビート的な響きを持つことには変わり在りません。
スネアドラムの16ビートのシンコペーション
スネアドラムはエイトビートでは標準リズムの目印として2拍目4拍目ジャストに登場するだけでした。16ビートにおいて、16ビートのずれ込みに限れば動きの幅が少なくオモテとウラのリズムの感覚を保って聴くことが可能になるため、頻繁に使用するものではないもののスネアの16ビートのシンコペーションが可能になるのも16ビートの特徴です。
シンコペーションを感じさせるためには、標準のリズムをまず最初に感じさせなければなりません。正しいオモテのリズムを刻む必要があって、ズレていない強拍がシンコペーションの周囲に必要になります。バスドラムがシンコペーションしていたら直後のスネアはシンコペーションさせず、もしスネアのシンコペーションをするのであればシンコペーションしていない強拍の後に行われます。
もし強拍のシンコペーションの後に続けてスネアもシンコペーションさせた場合は直後に16ビートの中のエイトビートを感じさせるようなオモテの分かりやすい単純なリズムに一度戻ることが重要です。消えかかった標準の正しいオモテの感覚を蘇らせるためです。次の小節の頭(ジャスト強拍を鳴らす)の直前に8分音符のリズムを加えたりします。
ハットの16ビート
ハイハットはそのビートの最小リズムを刻むための存在でしたが、実際にはオープンハイハットを絡めたり表現手法は豊富です。ドラマーにお任せして適当に入れ込むのでなければ、ある程度規則性や法則性が明確に把握出来る分かりやすいパターンに聴こえるよう工夫します。
多くはオープンハイハットを時々挟み込み、その挟み込むタイミングが特徴となっているというパターンです。
16ビートのハイハットはスティックを両手で交互に振り下ろすことによって演奏します。そのため、同時にスネアも演奏したいときはハイハット用に振り下ろされるスティックをスネアに当てるという動作が必要です。スネアが鳴るタイミングではハイハットは休符になります。物理的に仕方なくそうなっているので、リズムマシーンなど自動演奏ではそのまま演奏させることもあります。