ベースは基本的にはルートだけでも成り立ちます。和声を根本的に支えるベースパートとして単純なルート音を鳴らす以外にどのような可能性があるでしょうか。
目次 index
ベースは低い音が前提条件。実際よりも1オクターブ高く記譜する
ベース譜は実際の音高より1オクターブ高く記譜する習慣となっています。ベースとしての役割を果たすのであれば同じ音でも低い音を出します。ただ、横の繋がりなどを考慮してバランスをとることも必要です。
シンセサイザーでつくったベースの役割の音でも、音程を感じられる範囲で、低い音を使うのがベースの役割としての条件となります。
ルートのみのバリエーションを作る
ルートを連打するだけでも立派にベースとしての役割は果たせますが、オクターブの上と下の同じ音を入れ混ぜると動的な要素が加わり面白くなります。ただしあくまでも装飾なので連続して使わず、コードの初めの音はちゃんと元の音程の高さ(低い方の音)で演奏します。
オクターブ違いの音の出現に規則性を持たせることでバリエーションを作っていきます。
また、オクターブ違いを出した後の標準的なルート音は強調されて聞こえます。シンコペーションとも違う現代的なアクセントです。
無難な使い方としてはオクターブ違いをパターンの中のオモテ一つに絞り、それによってウラが強調されるような使い方があります。
ルートと5thのコンビネーション
ルートの次に使われるのが5thの音です。元々ルートの倍音成分の中に色濃く存在している5thの音はベースラインに加わってもメロディ的なフレーズ感を持たない、地味だけれど動的な変化を与えてくれる存在です。オクターブ違いの音と組み合わせる事で様々な変化のあるパターンを作ることが出来ます。
5thをベースラインに取り入れる際の注意点は、コードが切り替わる強拍のタイミングでルート以外の5thを先頭に持ってこないことです。シンコペーションで強拍が前にずれ込んだときも同様で、1つのコードの先頭の最初のベースの音は必ずルートでなくてはなりません。
ベースの定石パターン
ベースにもよく使われる定石パターンがいくつか存在します。符割り(リズム)を変えたり、ルートと5thを一拍ずつ交互に入れ替えて使ったり、休符やスタッカートで歯切れ良くさせる方法などがあります。
ベースは飲み会で言うと幹事の役割と言えるでしょう。幹事であるベースが酔い潰れて乱れてはいけません。しかし、同じ音を連続して使うのは真面目すぎて面白みがありません。オクターブや5度の音を使う事で仕事はしつつも周囲との空気に合わせる遊びの部分といえます。