【初学者向け】コード進行作りのヒント

実際にコード進行を作る上での具体的なヒントをまとめてみました。

出だしのコードにはIを置く

基本的には曲の最初は主和音(I)を置きます。こうすることで調性が分かりやすくなり、どのコードに進むにしてもスムーズです。ただ、必ずしも主和音でなくても良いので絶対的なルールではありません

主和音(I)以外のコード別出だしの作り方
IIm,IV:比較的多く、S-D-Tの流れからD,Tへと続く流れになります。
IIIm:機能が繋がって聴こえるIやVにはつなげず、サブドミナントにつなげる形が多いです。あまり見られない出だしです。
V:こちらもあまり多く使われることは無い出だしです。直後に主和音が来ることで陽気な出だしとなります。不安定なコードなのでTかSに早めに解決させます。
VIm:暗い感じと思わせておいて実は明るい感じだった、という曲に使われます。機能としてはトニックなので、I以外にならどのコードにも繋がります。
VIIm(♭5):出だしには極めて使われることが稀なコードです。実際使いこなすのは難しいでしょう。

主和音以外から曲を始めることは、あたかもその和音が主和音のように錯覚してしまいます。そのため、その後に続く曲の調性の秩序が崩壊してしまう危険性があります。

コードチェンジの間隔について

大体1,2小節でコードを切り替えるのが基本です。もちろん曲調やテンポなどによって臨機応変に調整します。

機能チェンジによる進行感について

構成音が違ったコードを続けると機能が切り替わった印象を残すことが出来ます。構成音が違うコードを連結させることで曲の進展を明示する事が出来るのです。逆を言えば、同じコードや同じ機能のコードを連続させるとなかなか曲が進展している感じを出すことが出来ません。

一定のコード進行はマンネリ感を産んで退屈な印象となります。

3度上のコード進行を連続すると進行や停滞のどちらともつかない曖昧な進行になります。2音が共通したコードの連続となり、これが2回以上続くと曖昧なコード進行になります。
I→IIIm→V→VIIm(♭5)→IIm→IV→VIm
※実際に楽器で弾いて耳で確認してみましょう。

単調にしないためには以下の工夫をします。
・同機能の連続では主要3和音を手前に持ってきて機能をしっかりと示してメリハリをつける。
・主和音で機能が明確なIとVの近くに、両者の中間ともいえるIIImの和音は置かない。
・もともと使いにくく、調の中でも必要とされないVIIm(♭5)は使わないようにする。

小節位置の区切りについて

人間の脳はすべての情報を一度にたくさんに処理はできないので、音楽もある程度の区切りやブロックに分けて聴こうとしています。一定間隔のリズムの単位で音楽は分けられます。さまざまな区切りがありますが、実用の上では4の倍数の小節数が区切りとして使いやすいです。

区切りの長さは大きくても16小節まででしょう。32小節、64小節となると、規模が大きすぎて一つのまとまりとして捉える限界を超えてしまいます。16小節までの流れを繰り返すか、まったく新しい16小節が始まる工夫をしないと、捉えどころが無い音楽となります。

区切りの小節である4小節目、8小節目、12小節目、16小節目にIやVの機能の強いコードを配置すると文章で言う句読点や読点のように全体を整理する効果が出ます。区切りの箇所にIが来るのを完全終止、Vが来るのを半終止と言います。

終止形について

主和音の前にどんな機能のコードを配置するかで終止のかたち(カデンツ)が変わります。ドミナントを直前に持ってくることで聴いている人には次に終止がくるぞ!と宣言していることになり、Iが続くと強い終止感をもたらします。サブドミナントで終わると突然終止される感じとなり、肩すかしのような、あれ?これで終わり?みたいな印象を与えます。

ドミナント終止    D – T [V – I]
サブドミナント終止 SD – T [IV – I]

小節の区切りの位置で上記の組み合わせを色々試してどう印象が変わっていくのか聴いて体感しましょう。