パラレルモーションについて

パラレルモーションについて

分かりやすい転調とは調が入れ替わるポイントがハッキリしている転調です。パラレルモーションとは同じ形のコードを連続させて元の調を飛び出して新調に導く方法です。

転調は調性を前提としている

転調をするには前提として調性が確立されていることが重要です。分かりやすい転調では調性を脅かす調性外の音を含んだコードを提示しドミナントモーションを介して転調先の主和音に向かいました。ドミナントモーションを介することで新調の調性を確立していた訳です。

同じ形のコードを繰り返す=パラレルモーションでも転調を導ける

でも転調の導き方はドミナントモーションだけではありません。クリシェなどに見られるように、同じ形や規則性を持った繋がりを感じさせるものであれば、調性外の音が出ても自然に受け入れる事が出来ます。

パラレルモーションでは「同じ形のコード(CM7-DM7-GM7-AM7…,C6-D6-F6-G6-A6…など)」を連続させる事で元の調を飛び出して転調する方法です。

連続の条件など

実際に使う時は、急激に転調している感覚を無くすため、耳を慣らすために調性内(ダイアトニックコード内)の同じコードを繋げます。

具体的には
・マイナーコードが連続している IIm-IIIm →マイナーコードが連続していく導入部分
・メジャーコードが連続している IV-V →メジャーコードが連続していく導入部分
*4和音の形や6th,add9thなど色々と組み合わせがあります。

こうすることで次に調性外の音が来ても調性内(ダイアトニック内)のコードの変形だと思わせる事が出来ます。スムーズに転調に導くための耳を慣らすステップです。一番最初の調性外の音を含んだコードのルートを前の調に含まれる音にするとより一層滑らかに繋がります。

パラレルモーションではもちろん自分で決めた規則性を保って同じボイシングのコードを連続させていけば良いのですが、実用上自然に聴こえるようにさせる動かし方は長2度か短2度の距離関係で繋がるようにします(あくまで不自然に悪目立ちさせない為のルールです)。

なお、歌がついている音楽はパラレルモーションがシンプルに一方向に動いていく…といった感じですが、歌のない楽器中心の音楽(フュージョンなど)ではジグザグに小刻みに動きながらも全体としては一方向に動いたりします。

パッシングディミニッシュはパラレルモーションと近い概念です。

パラレルモーションを終えるには

パラレルモーションを終える場合もこれまでの転調と同じく、その最後のコードが重要です。最後のコードを含む調に転調したと考え、パラレルモーションの最後のコードが転調先のダイアトニックコードで言うどの立ち位置かを確認します。新調の調性を確立するためにドミナントモーション→主和音の流れを構築したり、繋げるコードの機能にメリハリを付けてそのコードの立ち位置を明確に示していきます。

大きな単位でのパラレルモーション

パラレルモーションの原理を応用したもので、メロディとコードを数小節分ひとまとめとして、何度かズラしてまるごと繰り返す手法もあります。突然転調が始まったように見えても、実は過去に同じような繰り返しのパターンがあることで納得感を作り出します。現実的には8小節くらいまでが実用の上限でしょう。

曲の最後の繰り返しに入ってからその繰り返しの単位がまるまる半音上がるパターンの転調はポップスの世界で多用されています。やり方としては、主和音で始まりドミナントで終わるのですが、最後のドミナントの時点で既に半音上げて、勢いよくドミナントモーションで新調の主和音に繋げていきます。最後のドミナントにメロディが重ならないようにメロディなしの伴奏でドミナントコードが半音ずつ上がって新調へ繋がるパターンが使われます。