知っておきたい曲の符割りについて リズムとシンコペーションを意識しよう

メロディ作りにおいて音程関係のみを意識しがちですが、じつはリズムの要素こそが音程よりも曲の根源的な印象を決定づける強い影響力を持っています。

ポピュラー音楽におけるメロディ作り

メロディは最も目立つ部分にあり、一番直接的に聴く人の耳に訴えかける要素です。そのために分かりやすくする必要があるのですが、余りにシンプルで簡単なメロディだと子供向きな印象となり、大人が聴く気のしない音楽になってしまいます。

そのため最低限のわかりやすさと聴き応えのある構造を持たせることが重要です。

リズムの構造で最も重要なのが音の鳴り始めのタイミングです。音の長さではなく、なり始めの部分。曲の符割りを作る場合は、まず音の出始めがどのタイミングで始まるかを作ることでもあります。

わかりやすい曲とは?

人はブロックで、ひとかたまりに区切って認識する傾向があります。位置的に近い要素をひとかたまりと捉えるのです。そのため、メロディや曲の要素に明確な間を持たせることで、グループごとに別れていることを認識出来ることで聞き手にとって分かりやすい、理解がやさしい曲になります。

一定間隔で区切り(間)を示すことができればどんなに長いメロディでもひとかたまりの積み重ねと捉えることが出来ます。

標準的なポップスも多くの場合、2小節前後で区切りを感じさせるように作られています。ポップスにおける標準的なワンフレーズは2小節で、短いと1小節、長くても4小節ぐらいまでです。

聴き応えのある(複雑な)曲とは?

複雑な曲は裏と表のリズムで考えていきましょう。裏拍の直ぐあとの表拍は、裏拍が持つややこしい感じを帳消しにしてくれる大切な目印となります。オモテのリズムが鳴る事で安心感が生まれますが、単調にもなります。

よって、裏のリズムの持つ複雑さを最大限に活かしたいのであれば、裏拍の直ぐ後ろの表には音は置かないことが重要です。このような裏が強調されるようなテクニックをシンコペーションといいます。

多くのポップスで、メロディを聴き応えのあるものとするためにシンコペーションのリズムをメロディや伴奏に取り入れられることが行われています。

この場合のシンコペーションは、裏拍の直ぐ後の表拍に音の出始めがない事と定義されます。

シンコペーションについて

シンコペーションの最も重要な部分は表の音が消失、もしくはずれ込んだと聴く人に錯覚させるところにあります。安定したリズムを私たちは本能的に感じようとしますが、それがずれたことで不安定感を感じる仕掛けがシンコペーションです。

同じシンコペーションでも1拍、3拍が前にずれたのと、2拍、4拍がずれこんだシンコペーションでは強拍の1,3拍目が前にずれたシンコペーションの方がより強力ということです。

音の始めが裏拍で始まり、次の開始音が表拍で鳴らないこと。これがシンコペーションを産みだします。そして最後に音符を表で始めることで安心感を残す事が出来ます。

シンコペーションを使うほど難しく大人向けの曲となり、使わないほど単純で子供っぽく分かりやすい曲になります。

弱起(アウフタクト)とは。休符始まりについて

フレーズの出だしが前の小節にはみ出しているような部分を弱起(アウフタクト)と言います。あまりに長いと区切りが曖昧になるので8分音符2つ、3つぐらいまでがちょうど良いでしょう。

アウフタクトの休符で始まる形は聴く人にとって意地悪で冒頭を隠したような、ストレスな感じ方をもたらします。癖がとても強いので、本当にここぞ、という場面以外では使わないようにしましょう。癖が強すぎるので多用すると飽きてしまいます

メロディを考える時に考える事

自分で曲を作るときにどうやって作っていくのかあらかじめルールを決めておくと作りやすいです。制約は創造の母です。

・始まり方は? ジャストor弱起or休符
・ビートは?  8ビートor16ビート
・シンコペーションは? 表拍重視orシンコペーション重視
・休符を含めた1つのフレーズの長さをどのくらいの小節幅にするか?
・小節内にどれだけの密度で音符を詰めるのか?