リフを中心とした曲構造について

今回は「リフ(繰り返し)」をテーマに楽曲構造全体について考えていきます。

リフとは何か?

リフとはイントロやサビなどにおいて、印象的に繰り返される2小節程度のテーマフレーズの事です。リフは歪めた音が特徴のディストーションギターの低音弦などによって演奏されるものが知られていますが、ギター以外でも可能です。単音に5度上を重ねた(パワーコード奏法)もの、コードの形を組み合わせたものがあります。

元々ブルースのシンプルなコード進行(ドド→ミミ→ソソ→ミミなど)をみんながそれぞれアレンジして複雑化したものと考えられます。リフはその曲をその曲だと決定する最大要因です。

リフから見た楽曲構成

リフを中心とした楽曲構成はバンドアレンジの中で発達してきた重要な形式です。リフは繰り返しを基本としています。そのため飽きさせないようにどこかで大きく気分を変えることを目的に間奏やサビなどでメリハリをつけた大きく異なるパターンを持っていきます。

実はイントロも役割の名前であって、実質的な内容はリフそのものです。サビの後を繋ぐブリッジの部分もリフの単純な繰り返しで形成されています。間奏部に関してはリフの繰り返しの上にアドリブのソロが鳴ったりしています。Aメロなどもリフと独自な部分の組み合わせで成り立っています。唯一、サビに関しては基本的にリフとは無関係な構成になります。

ベースとのユニゾン

ピアノやギター、他の楽器でもベースのアプローチフレーズとオクターブ違いのユニゾン演奏をすることでオブリガート的な効果をつくり出すことがあります。

効果的なフレーズのために

メロディが途切れる度に毎回必ずリフを入れるのだとしたら、大抵のオブリガートフレーズは耳障りでうるさいだけのものとなってしまいます。効果的に使うためには適切な頻度が重要で、ある特定のブロックだけオブリガートを使う、みたいなやり方がいいでしょう。複数のブロックでオブリガートを使う場合は全く違うタイプのフレーズであることが一般的です。

メロディの前後に隙間を置いたほうが聞き取りやすく、しつこさを感じさせないため繰り返せる限界も拡がります。音を詰め込むよりも、あっさりさせる事の方が難しく、上級者の曲になります。音の詰め込みをあっさりさせて、かつ全体がうまくいく楽曲を目指していきましょう。

メリハリをつけるために

メロディのキメを引き立たせるためには適切なメリハリ付けが重要です。世の中にはカラオケで歌がどの部分に入るのか分かる曲とそうでない曲とに分かれます。例えば昔の焼きそばのCMでいうUFOの楽曲などは凄くハッキリと歌う箇所、そうでない箇所が分かります。

メリハリを出すには普段の伴奏であまり動かさないようにしましょう。普段の伴奏が動いてしまうとオブリガート時との違いが見つかりにくく、うるさい印象になります。

歌メロ(主役)が出ている時は背景にひっそりと鳴り、歌メロが途切れたら音量を上げたり、動かしたりします。動きすぎたり、動的要素を入れすぎると歌謡曲のようになります

コードリフについて

リフは絶対的な構造的な条件というものが無いため、何でも可能というのが逆に難しい所です。

コードリフはコードを組み合わせたリフのこと(コード進行の繰り返しのこと)です。これをうまくまとめるには、クリシェなどの微細な動きよりも明確案コード感(和声感)を出した方がうまくいきます。テンションコードよりも単純な三和音の組み合わせ、その中でも主要3和音の組み合わせがリフの材料として適しているものとなります。

また、リズムを複雑にするのも効果的です。コードリフは細かな動きよりも大胆な動き(曲調)を好みます。エイトビートの中でシンコペーションなどのリズムの複雑化=充実化を図ります。オモテのリズムは少なくし、ウラのリズムを強調させたり、リズムに関しての創意工夫を意識して行います。

繰り返しに耐えられる間を持たせる事も重要です。フレーズの終わりや始まりに休符や長い音符があるかどうかが繰り返した時の圧迫感を決定づけます。一つ一つの音の長さ、ストロークの長さも曲のテンポなどと絡めて曲の重さや印象を決定づけます。あまりにも細かくなりすぎないようにしましょう。

参考

リフ(Wikipedia)