将来プロの作曲家を志すのであれば、音楽理論を徹底的に学びましょう。
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理論を知ることは強い武器となる
理論を知らなくても、作品のクオリティを気にしなければ、作曲すること自体は可能です。感性だけで音楽を作っている人もいます。
ただ、サウンドクリエイターや作曲家の仕事では数百、数千曲作らなくてはならないことがあります。自分の苦手な曲調だったり、未知の分野を開拓する必要もあるのです。作曲理論を習得するのは苦手を克服したり、曲やジャンルを分析するときの大きな武器となります。
音楽(作曲)理論は先人たちの感性の結晶である
音楽理論は先人たちがこれまで築いてきた楽譜、楽曲分析の集大成です。偉大な作曲家たちのセンスの集合知ともいえるでしょう。音楽理論を無視することは、これら偉大な作曲家たちのセンスを無視することなのです。感性で良い曲ができたと思っても、理論では当たり前のように語られていることだったりします。理論を知っているのと知らないのでは長い目で見たときに大きな違いとなるでしょう。
センスだけでは限界がある
センスが良い人は素晴らしい楽曲をカンで作れるかもしれませんが、いずれ限界がくるでしょう。例えば、「なぜこの曲でこの音が使われているのか、なぜ調には無い#や♭と言った音が使われているのか。」を言葉で説明できるようにならないとそうした曲を再現することができません。アーティストとして数曲感性で作って終わりなら別ですが、職能作曲家として大量の曲を書かなくてはならない場合はセンスだけに頼った作曲は心もとないです。
今後学ぶカッコイイコード進行を身につけたりするにはジャズ・ポピュラー理論とクラシック理論を習得し、多くのヒット曲・名曲の楽曲をアナリーゼするのが必要になります。
どうしてこの箇所でこの和音・コードが使えるのか。なぜこのメロディに変化記号かつくのか、かっこ良く聴こえるけれどもコード進行が理解できないなど、自分の理解を超える楽曲を解きほぐすのが音楽理論なのです。
音楽理論は、「本来#や♭がつかないのに、なぜかついている。でもそこがカッコイイ。単にまねしようにもなぜ#や♭がついているのか分からないから、自分の曲では使う自信が持てない…。」こういう状況を解決する大きな助けとなるのです。誰のどのような曲を見ても、「理論的に意味が分からない」ことを無くしましょう。
最後には理論を破る。理論は破るためにある。
作曲を志す人にとって音楽理論は強力な道具になりますが、しかし最終的には理論にとらわれない柔軟な精神も必要です。
日本の伝統芸能には「守・破・離」といわれる段階があります。これと同じでまずはルールを身につけ、それを使って体得してみる。理論が十分身についた後にあえて理論から外れた曲を作ってみる。
人と違うことをするにも、理論にとらわれない曲を作り出すにも、まずはこれまでの人類の音楽感性の遺産である音楽理論を習得してからになります。まずは理論を習得しましょう。そこがスタートです。