ブルーノートを実際の楽曲に活かすための考察をまとめました。ブルース進行以外の普通のコード進行でブルーノートをどう活用するのかについて見ていきます。
コードスケールの中にブルーノートを使う
ブルーノートはIII♭、V♭、VII♭の音です。これまでのコードスケールの中に、このブルーノートの音を加えるイメージで使っていきましょう。
ブルーノートは横の関係、つまりKeyという骨組みのなかで見ていきます。大元のkeyのIII♭、V♭、VII♭でブルーノートは機能します。作曲家の感性によりますが、一時的転調や2小節ほどの範囲なら元のKeyの範囲内と考えます。骨組みが変わる本格的転調となると使えるブルーノートも変わります。
ブルーノートはどんなコード上でも使えますが、元々ブルーノートはC7という1コードだけで成り立っていたので、シンプルで調性が分かりやすい部分で使った方がブルーノートの感覚もハッキリ出ます。転調が頻繁に続くような調性があいまいな楽曲ではブルーノートの感覚もあいまいになります。
意図的にブルーノートを含むコードを使う事でブルーノート感を出すことが出来ます。例えば、Key=Cでいえば、ミ♭、ソ♭、シ♭を含むコードスケールを使う事でブルーノートの感覚を印象づけることができます。Key=CのG7は通常Gミクソリディアンを使いますが、「ミ♭、シ♭」を含むGオルタードを使うとブルーノートの色合いが強くなるということです。
一時的転調をしても元のキーは変わらないと解釈するので、Key=C上のツーファイブのEm7(-5)-A7-Dm7を考えてみると、Em7(-5)で使うEロクリアンをKey=Cのブルーノート「ソ♭」を含むEオルタードドリアンにしたり、A7では「シ♭」を含むAHmP5bやシ♭、ミ♭を含むAオルタード、シ♭、ミ♭、ソ♭を含むAコンディミなどの選択肢が考えられます。こうすることで一時的転調部分でもKey=Cのブルーノートの感覚を取り入れることができます。
注意することは、コード構成音にブルーノートを入れる場合は、使うコードスケールのスケール音の中にブルーノート音が含まれるときに限ります。スケールの土台が無いとサウンドが安定せず、ブルーノートによって曲の土台が揺らいでしまいます。スケール音から外れたブルーノートはメロディの部分でのみ使いましょう。
闇雲にブルーノートを入れれば良いという訳ではなく、前後のバランスを考慮しながらブルーノートの感覚を楽曲に取り入れてみましょう。