オルタードスケールと複雑なコードのメロディ付け

オルタード上のメロディ オルタードスケールと複雑なコードのメロディ

オルタードテンションが含まれたドミナントセブンスなど複雑なコードを使うようになるほど、どうやってメロディを当てはめていくのか慎重になる必要があります。今回はオルタードスケールと複雑なコードにどうメロディを当てはめていくのかについてまとめます。

オルタードスケールとは メロディをどう乗せるか

コードスケールはコードの構成音を拾いつつ、同時に2度で積み重なる1オクターブの音列を作る事で求められますが、オルタードテンションが使われる場面では複数のコードスケールが存在する事になります。その中でも特にオルタードスケールオルタードテンション全てを内包する形として存在するユニークな存在です。

オルタードスケールはオルタードテンションである♭9,#9,#11,♭13、そして7thを含むスケールです。半音でぶつからないように5thの音にはスケール音が存在しないようになっています。分解してみると前半はコンディミスケールで、後半はホールトーンスケールという組み合わせです。調性外の音を多く持つ為、緊張感の強いスケールです。

使う時はゲストであるテンションを活かすようにしましょう。

半音繋がりが出来た場合のメロディはどうするか

どうしても半音繋がりが避けられない組み合わせの場合、どちらか一方に重点を置いて演奏します。重点を置くとは音の長さや頻度を増やすことです。

メジャーセブンスコード(M7)はルートとメジャーセブンスが半音ぶつかりです。メロディとしてメジャーセブンスコードを使う場合はセブンスの音を活かします。メロディは装飾的なので、ルート以外の上部3つの音を活かすようにメロディを組み立てます。この場合ルートは速やかにどこかに解決するべき音として扱われます。メジャーセブンスコードを使っている時にルートの響きを延ばしたりするようであれば、そもそもそこにはメジャーセブンスコードを当てはめるべきではないのです。

半音同士の音は決して協和しない関係性なので、1つのコード上で共存するためにはそれぞれ独自の役割や考えが無ければいけません

表層に位置するのはメロディであり、音楽の中で目立つ部分です。影で支えるのがルートなどの下部構造です。ルートは常にコードを支える土台ですから、メジャーセブンスコード(M7)を使う時には敢えてルートを目立たせる使い方はしないで、せっかくのゲストであるメジャーセブンスの音を上手に活かしてやることがコードを活かすことになります。良くない例として、メジャーセブンスコード上でルート音を延ばしたりするような、まるで舞台の黒子が役者を差し置いて目立つ使い方は避けた方がいいでしょう。

■半音ぶつかりのコードと長く伸ばせる音(目立たせても大丈夫な音)。
M7→ルートとM7が半音ぶつかる→M7の方を長く伸ばす。
m9th→3rdと9thが半音ぶつかる→9thの方を長く伸ばす。
7(♭9)→ルートと♭9thが半音ぶつかる→♭9thを長く伸ばす。
7(#9)→3rdと#9thが半音ぶつかる→#9thを長く伸ばす。
7(#11)→5thと#11が半音ぶつかる→#11thを長く伸ばす。
7(♭13)→5thと♭13thが半音ぶつかる→♭13thを長く伸ばす。
7(13)→7thと13thが半音ぶつかる→13thの方を長く伸ばす。

テンションであるゲストは舞台上でも目立つ位置に置くように、高い音(装飾的な音)にします。そして、コード構成音よりもオルタードテンションほど目立たせます。せっかくオルタードテンションを作ったのならそれを活かす!というわけです。

原則半音隣の関係を避け、もしそうせざるを得ない場合は上部構造の音を響かせ、下部構造の音は短く控えめにしていきましょう。

オルタードテンションが含まれる複雑なコードほど、ペンタトニックスケールの素朴なメロディが組み合う事があります。オルタードコードのメロディにペンタトニックスケールのメロディを当てはめて見るのも良い方法です。