時間芸術である音楽において、リズム(拍子)の持つ重要性は計り知れません。今回はリズム・拍子についての基本の知識をまとめました。
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リズムだけでも音楽は成立する
原始音楽にみられるように、リズムだけでも音楽は成立します。
楽器訓練の現場ではメトロノームで厳格に拍子を合わせてとことんリズム感をたたき込んでいます。
リズムは音楽を左右する大きな要素です。
拍子記号(Time Signatures)
楽譜では拍子記号でリズムを表します。
「ト音記号」「へ音記号」といった音部記号の横に分数で表示されている数字が拍子を表しています。これは1小節内に「分母の音符」が「分子の数だけある」ことを意味しています。
・「4/4拍子」なら、1小節内に四分音符が4つ入るリズムである事を示します。
・「6/8拍子」なら、1小節内に八分音符が6つ入るリズムである事を示します。
ポピュラー音楽の世界ではほとんどが「4/4拍子」なので、広く一般に広まっている=コモン(common)であるということで、頭文字を取った「C」という音部記号で「4/4拍子」を表すことが多いです。
拍子が持つ音の強弱
それぞれの拍子には音の強弱があります。強拍、弱拍、裏拍などと言われるものです。音の強さを表す関係は、強い順に「強>中>小>弱」と表せます。普段意識していない方は、今度リズムを意識して音楽を聴いて、リズムの強弱を体で感じ取る感覚を養うといいでしょう。
■「4/4拍子」(「C」)
「強、弱、中、弱」という音の強さを持つ拍子で、最も広く使われている拍子です。
■「3/4拍子」
「強、弱、弱」という音の強さをもつ拍子で、ワルツなどに良く使われています。ショパンのワルツ集はお勧め。
■「6/8拍子」
「強、弱、弱、中、弱、弱」という音の強さを持つ拍子です。3拍子の仲間ですが、拍子のアクセントである強と中だけに注目すると2拍子にも感じられる拍子です。「3/4拍子」と混同しやすい拍子です。
■「12/8拍子」
「強、弱、弱、小、弱、弱、中、弱、弱、小、弱、弱」というアクセントを持つ拍子です。3拍子の仲間ですが、アクセントだけに注目すると4拍子のように聞こえます。
連符は音を奇数で分割する
音を分割することで拍子を作り出しているのですが、先の例に見たように偶数の2分音符や4分音符などは簡単に表すことができます。しかし、より音を分割して表示したい場合、例えば3分割5分割にしたい場合はどうすればよいでしょうか。その場合「連符」(Tuplet)を使って表します。
音符の上に「○」がついている音符を「○連符」といいます。それぞれ元となる音のリズムを分割しています。
たとえば8分音符に「3」が付いている音符を「3連符」といいます。これは、4分音符のリズムを3等分したものです。
4部音符に「3」がついているのであれば、2分音符のリズムを3等分したものとなります。
16分音符に「3」が付いている3連符は8分音符を3等分したものです。
同様に上に「5」が付いているものを5連符といい、同じ要領で7連符や11連符も書くことが出来ます。それぞれ分割した数を数字で指定しています。分割したリズムは分割元のリズムに収めるように演奏されます。
速度表記
速度表記は主に譜面の始めに書かれるものです。上記画像の意味は「1分間に4分音符を120数える速さ」という意味です。他にもallegroやadagioといった言葉で速度を示すことがあります。こうした音楽用語はイタリア語に由来していることが多いです。
参考・出典
・Time signature(Wikipedia)
・rhythm(wikipedia)
・http://www.piano.or.jp/enc/fb/view/88
・連符(Wikipedia)英語