【基礎楽典知識】リピート記号: 楽譜の読み方基礎4

音楽は繰り返しの要素が欠かせないのですが、いちいち同じ内容の譜面を書くのは手間になります。FinaleやSibeliusといった浄書ソフトの登場により譜面作成のコンピュータ化が進んだとはいえ、昔は手書きで譜面を全て書かなければなりませんでした。そのため音楽家は繰り返し要素を簡略に示すためにリピート記号やジャンプ記号を発明しました。

リピート記号とは

リピート記号は「記号と記号の間を1回繰り返す」という意味です。

上記の例では、CとDの間にリピートマークが付いているので、演奏の流れとしては「A – B – C – D – C – D – E」のようになります。

こちらではリピートマークが2つあります。演奏の流れは「A – B – C – B – C – D – E – D – E – F」となります。

順番カッコとは

順番括弧とは、リピートの順番を指定したものです。

上記の場合、2週目の演奏の際に「1.(CとD)を飛ばして「2.(E以降)へ行きます。流れとしては、「A – B – C – D – A – B – E – F」となります。

上記では1,2順目は同じで、3順目から「1.2.(CとD)をとばして「3.(E以降)へ行きます。流れとしては「A – B – C – D – A – B – C – D – A – B – E – F」となります。

ジャンプ記号 ダルセーニョとコーダ

ジャンプ記号について解説します。ジャンプ記号とは、曲の途中でジャンプ=飛ばして移動することを指示した記号です。

セーニョとダルセーニョ

まずは「セーニョ」と「ダルセーニョ(D.S)」を使った例を見てみましょう。

セーニョマーク 画像出典:Wikipedia

ダルセーニョ 画像出典:Wikipedia


ダルセーニョ(D.S)まで来たら、1回だけセーニョマークの箇所にジャンプして戻ります。流れとしては「A – B – C – D – C – D – E – F」のようになります。


D.S.でジャンプでセーニョマークに戻った後、Fine(フィーネ)があればそこで終了します。上記では「A – B – C – D – E – C」で終わりでFは演奏されません。

同じジャンプ記号に、ダ・カーポ(D.C.)があります。ダ・カーポは1回だけ、曲の最初まで戻ることを指示します。

ダ・カーポ 画像出典Wikipedia

コーダマーク

ジャンプ記号には「コーダマーク」もあります。

コーダマーク 画像出典Wikipedia

ジャンプで戻った後にtoコーダがある場合、コーダまでジャンプします。上記の例は、D.C.(ダ・カーポ)で最初まで戻った後に、toコーダからコーダへジャンプします。流れとしては「A – B – C – D – E – A – B – E – F」のようになります。

こちらはD.S.(ダル・セーニョ)でセーニョマークへ戻った後に「toコーダ」から「コーダCoda」へジャンプしています。「A – B – C – D – C – F」の流れになります。(Eは飛ばされて演奏されません。)

参考・出典

ダル・セーニョWikipedia
ダ・カーポ(Wikipedia)
コーダ(Wikipedia)