【初学者向け】コード連結とコード進行 覚え書き

一つの曲を作り上げるために、和音進行単音のメロディという異なる次元のものをそれぞれつくらないと行けません。どちらが先行しても曲はつくれるものの、初心者のあいだは和音の流れ=コード進行を先に作る方が作りやすいです。その場合はダイアトニックコードを組み合わせてコード進行を作っていきます。

コード連結のポイント:各機能の働きを考える

主音(トニック)の持つ強い安定感は聴く人に終止感を与えます。終わった感じのしている状態、その直ぐ後に終わりそうな状態、特に終わりそうもない状態の三つの終止の形(カデンツ)を音楽は持っています。ダイアトニックコードでは主要3和音でそれらの3つの状態を作ることが出来ます。

Iの主和音はトニックと呼び、最もスケール上で終止感をもつ主音をルートにしたコードです。安定感も極めて強いです。
Vの属和音はドミナントと呼び、属音をルートに持ち、3rdに導音であるVIIの音を持つ為、主和音に向かう働きを潜在的に強く持っています。次に主和音が来そうな、終わりそうな響きをもたらします。
IVの下属音はサブドミナントと呼び、構成音に主音を含むため決定的な不安定感はないものの、その主音はどちらかといえば他の音に埋もれた弱い立場なため終止とは異なる安定感と曲が続いていくような途中経過としての役割を持ちます。

ドミナントモーション V→Iの進行

ドミナントモーションとはVからIに移動する動きのことです。

V=ドミナントコードがI=トニック(主和音)を期待させる効果を意識して聞いてみましょう。Vに含まれるVIIの導音はIの主音へとつなぎたがり、属音(V)も主音と結びつきます。さらに解決先の主音IにもVの音が含まれており、納得感があります。

主要3和音以外の役割について

主要3和音以外のコードの役割は、主要3和音のI,IV,Vと音の構成音がどれだけ似ているかで役割が決定されます。3つの構成音のうち、2音を共通音として持っていればそのコードは近い響きを持っていると言えます(代理和音になれる)。

・トニックグループ VImとIIIm 最も安定感をもたらすIの音を含まないIIImはトニックっぽさは劣る。
・ドミナントグループ IIImとVIIm(♭5) トニックとの掛け持ちのIIImのドミナントっぽさは低い
・サブドミナントグループ IIm(とVIm) VImはより強いIのトニックの役割のほうが強いので実質サブドミナントの役割はない。

機能の流れの移り変わりを意識する

全てのダイアトニックコードがT,D,Sのうちどれかに属します。コード進行はこの3つの機能が移り変わる様子ともいえます。トニックでもドミナントでもあるIIImは前後の状況に応じてどちらの機能として働くかが決まります。直接繋がっているコードは何か?によって印象がきまります。

I(T):2つの共通音を持つのでIIImはトニック
VIm(T):共通音は一つだけなので響きが変わった印象のため、IIImはドミナント
V(D):2音共通なので近い響きに。IIImはドミナント
VII(♭5)(D):共通音は一つのみ。IIImはトニック。
IVとIIm(SD):IIImがサブドミナントで無いことを意味する。手がかりが他に無ければIIImをトニックと考える。

いずれの場合にせよ、コード進行は響きがガラッと変わった場合の印象が強くなります。