作曲の手順は作曲家によって様々です。ドラゴンクエストの作曲で有名なすぎやまこういちさんは理論派ですし、聖剣伝説やキングダムハーツ、スーパーマリオRPGなどで有名な下村陽子さんはかなりの感覚派だとおっしゃっています。
本記事ではどう作曲を始めて行けば良いのか分からない人向けに、代表的な作曲の手順をまとめました。
目次 index
歌詞から作る
ボーカル曲がメインのシンガーソングライターに多く、歌詞があってこそアーティストとして売り出すことが出来ると考えている人に多い方法です。まず歌詞を書き、メロディーをつけてコード進行→アレンジ→ミックス→マスタリングと続きます。
メロディから作る
お風呂の鼻歌も立派な作曲です。ふっと湧いて浮かんだメロディを元に作曲をする人も多いです。ファイナルファンタジー13やアンリミテッドサガで有名な浜渦正志さんはよく浮かんだメロディをメモしているとか。
メロディ→コード進行→アレンジ→歌詞という流れでメロディにコードを付けていきます。
コード進行から曲を作る
鍵盤楽器やギターなどを鳴らして、コードを弾きながらメロディを考えていくパターンです。ピアノの前でなんとなく適当に音を鳴らしてインスピレーションを得て作曲する人はかなり多いでしょう。メロディはコード進行を作ってから載せていきます。つまり、コードを楽器で弾けるようになると作曲のスピードが向上するということです。
コード進行→メロディorアレンジという流れです。
フレーズ(リフ)から作曲する
これはギタリストに多く、カッコイイフレーズ(リフ)が浮かぶとそれを元に広げていき曲に仕上げる方法です。リフをそのまま歌やメロディラインにしたりすることもあります。プログレの巨匠マイクオールドフィールドさんの楽曲はかなり良いリフですよ!
リズムから作曲する
リズムパターン(ドラムパターン)を事前に決めてしまい、そのリズムの雰囲気に合った曲をイメージしていく方法です。時間芸術である音楽において、リズムが曲の雰囲気に与える影響はコード進行以上かもしれません。リズムマシンを使っても良いし、自分で適当なリズムをまず作ります。イメージからリズムを連想するのもいいでしょう。
どこから作ってもテンポがしっかり安定することがこの方法の利点で、コード進行をリズムに合わせて調整していけば思いもつかない様々な曲が作れます。
まず先にリズムという全体像をうっすらと構築し、それが見えている段階でコードやメロディを作っていくので完成させやすくなります。コードをリズムに当てて、コード構成音から適当に音を拾ってリズムを付けて弾いてみましょう。
サビ作りのポイント
サビ作りのポイントのまとめてみました。歌モノが作れれば楽器のみのインスト曲への応用は比較的簡単です。
・サビは音域を広く使い、メロディ音の動きを激しく。特に上下の動きを積極的に行う。
メロディは出来るだけ音域を広く動かすようにします。ゆっくりと規則的に上下するようなメロディよりは、多少崩した不規則な動きの方がサビらしくなります。ヴォーカル(楽器)の音域や奏者の技量を考慮します。
・1番いい音が出る音域を使う。
ヴォーカル曲ではヴォーカルの力量も考慮して、1曲を通して9~10度の音域に納めたほうが歌いやすいでしょう。サビはこの音域の仲での高い域から1オクターブくらいで作りましょう。楽器も同様です。特徴有る音色や上部吹奏(ハーモニクス、倍音)を考慮して編成しましょう。音感の良いヴォーカルならばインスト曲と同じ感覚で作れますが、やはり無理せず基本を重視しましょう。
・息継ぎに注意。
Aメロ、Bメロなどと共通して、良い息継ぎが出来るメロディにします。自分で鼻歌を歌いながら作曲していれば大丈夫ですが、パソコンで黙々と作曲していると忘れがちです。音域や息継ぎは、楽器によって異なります。作曲家はそのため楽器法に熟知している必要があります。
・コード構成音に合っていない音は、オン(on、スラッシュ)コードを使うなどして調整する。
曲全体に言えることですが、コードとメロディを合わせるときは「メロディの核となる音」と「コード」を合わせるためにオンコードを当てはめたりして調整します。
ボーカルがないインスト系の楽曲の場合はメロディをコード構成音の一部として考えることが出来るので、半音関係のアボイドノートにさえ気をつけていれば「コードとメロディの関係」にそれほど神経質になる必要はありません。