【楽器法】フルート(備忘録的メモ)

今回はフルートについての知識のメモです。フルートがどんなことができ、何が得意な楽器でしょうか。学習者のメモなので適宜ご参考までに。

フルートの奏法について

フルートは音を連続で出すときに、トゥクトゥクトゥクと吹く必要があります。これはダブルタンキング、トリプルタンキングといい、早く吹くことができるのが特徴です。フルートは機敏に早い音を演奏することが可能な楽器と覚えておきます。

指使いは○がついている表を見ます。

リコーダーは全部押さえるとドの音が出ます。全部押さえのドは鍵盤楽器で言う中央ドのドです。全部押さえの運指でも2倍音を出すことが出来ます。

フルートのハーモニクス(上部吹奏)について

ハーモニクスは倍音のことです。管楽器の高音部、高い音はすべてハーモニクスといいます。フルートやリコーダーはそれとは別にハーモニクスが存在します。フルートのハーモニクス奏法について知っていきましょう。

・フルートのハーモニクス奏法と音の特徴
フルートのハーモニクス・倍音の出し方は強く吹くことだけです。強く吹くことで高い音が出ます。そのままの指使いで強く吹くだけでOKです。

管楽器は空気の当て方で倍音を出せるのが特徴です。ペットボトルの口に強く息を吹きかけると笛のような音が出せますが、それと同様の原理です。ハーモニクス(倍音)は透明感のある、輝きのある音がします。ハーモニクスの方が実は音程が正確になります。

奏者は運指通り演奏していき、単純に吹き方の違いでハーモニクスを再現していきます。

また、強く吹いて倍音を出すことをオーバーブローイング(フルートの上部吹奏=オーバーブローイング)ともいいます。オーバーブローイングは吹き方次第で2倍音、3倍音などを出すことが出来ます。

もともと吹ける管の基音があるとして、そこから上が倍音という扱いになります。フルートは3オクターブの音域があり、高い音はA5まで鳴ります。極限はC7あたりまでです。またフルートはA6あたりの音までは甲高く聞こえません。

フルートの一番下の音域はビロードのような音です。くぐもったような、暗い、脅かすような音が特徴です。基音で音を出し、オーバーブローイングを使っていない状況が下音域の音の特徴に影響しています。

一つの効果としてこうした音を使ってみるのは面白いでしょう。(DTM音源のビエナインストゥルメントは本来フルートが弾けない低い音にも拡張して対応しているようです。)

オーバーブローイングしてるところとしていないところを使い分けて、はっきり違う音色を印象づける方法もあります。フルートでは上部吹奏をしたところとしていないところで音色がガラッと違うのです。→ストラヴィンスキーやラヴェルなど作品に例がある。

倍音を切り替えて吹くようになると、演奏が指を切り替えたりした時にぎこちない印象になります。

フルートのEメカとは

フルートは運指の関係上、出しにくいミの音があります。このミの音を出しやすくするのがEメカです。フルートに取り付ける拡張パーツです。その分値段も高くなります。

他にもGメカなどがあります。クラシックの管弦楽法の本には載っていない要素です。

フルートという楽器について

フルートは洋銀で作られています。昔は金のフルートもありました。

フラウトトラベルドという木でできていた楽器がフルートの源流となった楽器です。→フラウト・トラベルト(Wikipedia)

湿気を含むため、木の独特な優しいぬくもりを伴った音色が特徴です。

兄弟楽器は、
・バスフルート
・コントラバスフルート
・ダブルコントラバスフルート
・バスフルート
などがあります。

フルートの音域など

フルートは管の長さが重要です。指で押さえることによって、音を発声する時の長さをコントロールします。C管は約2フィート=0.61mでちょうどちょうど60cmほどの長さです。管の太さではなく、長さが問題になります。

2フィートの長さで音を鳴らすと中央ドの音になります。半分の1オクターブにすると1オクターブ上の音が出ます。指で押さえられない3オクターブ上の音は普通の演奏では対応できないため、強く息を吹き込むことによる上部吹奏で対応します。管で得られないような音(基音)を超えるオクターブなどの音は倍音で出していくのが基本です。フルートのような管楽器はこの点が弦楽器とは違っています。

穴を押さえる道具として、ベント、レジスターキー、音域器、スピーカー器などがあります。私たちが小学生の頃習ったリコーダーは直接穴を押さえて音を操りますね。フルートなどはこうしたツール・機械類で音を押さえる方法があります。直接指で穴を押さえるのではなく、手元の機械を通して、バネとかテコの原理を利用するこの仕組みをKeyシステムといいます。ファゴットなどではよく使われています。

楽器によって、穴のサイズが大きくなると指では抑えられない楽器も出てきます。穴が10cmぐらいの大きな楽器もあります。穴を押さえる機械的な部品を作る技術は時代の流れと共に巧妙になり、どんどん進歩していきます。

現代のサックスやフルートは複雑に音を鳴らす仕組みになっており、親指だけで二つも三つも穴を押さえられるようになっていきました。フルートトラベルトの時代は穴は指で押さえるものだったので複雑な曲は演奏できません。

フルートで「アンブシュア」が良いとか悪いとかの話を聞くことがありますが、「アンプシュア」の意味は「口の形」「口の当て方」で、舌とか歯とか、息の吹き方を示す言葉です。

鍵盤楽器の中央ドは2ft(2フィート)のドで、約60cmのパイプの長さです。パイプオルガンは全部2フィート、60cm分の長さで、指を一個押さえた状態から指を押さえると音階が上がっていきます。

楽器に対して深い理解を持つことがプロとアマの違いを分けるといいます。作曲をするだけではなく、楽器法についても適宜理解を深めていきましょう。

参考

アンブシュアについて(口の形)
トリルキーについて
フルートのEメカについて