ここでは音楽理論を活用する上で最も重要な項目である調と音階(key,Scale)を扱います。調と音階を構成するメジャースケールとマイナースケール3種を全て覚えることができれば音楽理論の7割はクリアだといえるでしょう。作曲家を志すのであれば全ての調を覚えこむ必要があります。
調を覚えることができれば、その調にはない#や♭がなぜ使われているのか、転調、一時的転調・借用和音、サブドミナントマイナーへの応用といった高度な音楽理論、そして単調な曲作りからの脱却ができるようになります。
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調とはなにか?
みなさんが「ドレミファソラシド」の一連の音の範囲を考えたとき、調でいえばCメジャーキー(ハ長調)のことを示しています。
調は音楽における力場であり、それぞれの音に力関係や役割、性質をもたらすものです。調性音楽は調における力場をベースに構築されています。
調には「メジャーキー(長調)」と「マイナーキー(短調)」があり、最も広く一般に使われており、音楽理論のベースにもなっているのがこれから紹介する長調・メジャーキー1種と短調・マイナーキー(ナチュラルマイナー、ハーモニックマイナー、メロディックマイナー)3種になります。
調号について
調には#,♭といった調号が付きますが、最大で7つ付きます。
・#系ですと、「ファ#→ド#→ソ#→レ#→ラ#→ミ#→シ#」(ファを起点に5度上ずつ#が増えていく)
・♭系ですと、「シ♭→ミ♭→ラ♭→レ♭→ソ♭→ド♭→ファ♭」(シを起点に4度上ずつ♭が増えていく)
のように、変化記号がつく順番に規則性があります。
メジャースケール/長調/Dur
メジャースケールは一般に明るい聴覚的効果を人に与えます。日本語では長調、日本はドイツから音楽を輸入したので、クラシック音楽の現場ではドイツ語のDur(硬いの意)が使われています。
作曲の仕方によっては必ずしも明るい曲調になるとは限らないので、メジャースケールを使えば単純に明るい曲調になるわけではありません。
メジャースケールの音程を考えてみます。
(上記はCメジャーで、イタリア音名:ドレミファソラシド、英語音名:CDEFGABCのスケール)
メジャースケールのインターバルは起点となる音(KeyCならド)から「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」の間隔で音を並べたものです。音階上の最初の音を主音(Cの場合「ド」)、4番目の音を下属音(Cの場合「ファ」)、5番目の音を属音(Cの場合「ソ」)、7番目の主音を導く音を導音(Cの場合「シ」)といいます。
主音と導音はその調において非常に重要な音であり、導音と主音は半音関係となります。
音の種類では全12調あり、#と♭の異名同音調を含めると全部で15調のメジャースケールがあります(調号に示せない調を除く)。
メジャースケール一覧
以下が全メジャースケールとなります。全部暗記必須の超重要項目です。資料ページもご活用ください。
■Cメジャー「ドレミファソラシド」#,♭がつかない調
■C#メジャー「ド#レ#ミ#ファ#ソ#ラ#シ#ド#」#7つの調
■D♭メジャー「レ♭ミ♭ファソ♭ラ♭シ♭ドレ♭」♭5つの調
■Dメジャー「レミファ#ソラシド#レ」#2つの調
■E♭メジャー「ミ♭ファソラ♭シ♭ドレミ♭」♭3つの調
(D#メジャー「レ#ミ#ファ##ソ#ラ#シ#ド##レ#」はダブルシャープ(##)がつくため調号では示せない調です。)
■Eメジャー「ミファ#ソ#ラシド#レ#ミ」#4つの調
■Fメジャー「ファソラシ♭ドレミファ」♭1つの調
■F#メジャー「ファ#ソ#ラ#シド#レ#ミ#ファ#」#6つの調
■G♭メジャー「ソ♭ラ♭シ♭ド♭レ♭ミ♭ファソ♭」♭6つの調
■Gメジャー「ソラシドレミファ#ソ」#1つの調
■A♭メジャー「ラ♭シ♭ドレ♭ミ♭ファソラ♭」♭4つの調
(G#メジャー「ソ#ラ#シ#ド#レ#ミ#ファ##ソ#」はダブルシャープ(##)がつくため調号では示せない調です。)
■Aメジャー「ラシド#レミファ#ソ#ラ」#3つの調
■B♭メジャー「シ♭ドレミ♭ファソラシ♭」♭2つの調
(A#メジャー「ラ#シ#ド##レ#ミ#ファ##ソ##ラ#」はダブルシャープ(##)がつくため調号では示せない調です。)
■Bメジャー「シド#レ#ミファ#ソ#ラ#シ」#5つの調
■C♭メジャー「シ♭ド♭レ♭ミ♭ファ♭ソ♭ラ♭シ♭」♭7つの調
すべての長調・メジャースケールは導音である第7音が必ず主音と半音関係になっていることを確認してください。