メロディ作りのコツ

今回はメロディを作るときのコツとなるポイントをまとめてみました。

音を目立たせるために:タイミングを意識する

■ノンコードトーンのメロディ
ノンコードトーンをメロディで使う時に、ちゃんと解決されていればノンコードトーンは締まってハマった感じに聴こえますが、状況やタイミングによってノンコードトーンの調性外の感覚が上手く出せずに全くノンコードトーンに聞こえない場合があります。

■メロディの強拍を意識する:強部について
音楽は時間芸術であり、必ずリズムの要素があります。それはすなわち心理的なアクセントが与えられているわけです。特にメロディはその先頭のタイミングが重要であり、この心理的なアクセントを強部といいます。

心理的なアクセントである強部はコードチェンジのタイミングだったり、シンコペーションで前にずれたりします。特にコードトーンのメロディが強部とピッタリと一致していれば安定したメロディになります。逆に強部にノンコードトーンが来るとコードと合っていない感覚が強くなります

7thや6thの音がメロディの強部で使われるとコードでは3和音でつなげたものであっても、全体として4和音のような響きになります。弱拍ではそういった聴覚的な印象は起こりません。

音を目立たせるために:音の形に注目する(音型)

順次進行や跳躍進行など、音の動きのパターンを音型といいます。

■刺繍音
同じ音の高さに挟まれた音は、前後の音の印象が強く音の印象が弱くなります。この動きを刺繍音といって、単一の音だったメロディを膨らませる為に用いられます。ノンコードトーンとか7thとか6thとか関係なく、飾りとして強調したい元の1音の効果を強める効果があります。(7thと6thを刺繍音で使うと4和音の働きがなくなる。)

■経過音
メロディが順次進行で動いていくとき途中で使われる音は経過音と言って、挟まれた音の印象を弱める効果があります。そのためノンコードトーン、調性外の音を使えるという利点があります。一方で刺繍音の始まりと終わりの音や折り返しの頂点にある音はその音の印象が強くなります。

■目立つ音とは何か
目立つ音とは以下の音のことです。
・順次進行の始まりと終わりの音
・折り返しの頂点の音
・跳躍の着地点で次に折り返す音
・跳躍し始めの音(7thと6thの音を使うとコードが三和音でも四和音のように聴こえる)

短いモチーフを繰り返す

メロディをまとめる方法の一つに少ない音数のメロディを繰り返すパターンがあります。小さく繰り返すメロディはどのようなコードが来てもコードを主張しない特徴が有り、ポップスなどでよく使われています。この場合、メロディだけでは曲の盛り上がりやグッとくる感じがでにくいため、背景にどのようなコードを付けるのかが重要です。コード進行で味わいが出る例です。

■2音の繰り返し
非常に安定したメロディで、どこでも万能的に使えるモチーフです。調性内ならどのようなコードが来ても使えます。

■3音、奇数幅の音(2音だが付点音符を使った奇数幅のリズムなど)の繰り返し
3連系のリズムを除くと、3音の繰り返しのリズム(奇数幅のリズムの繰り返し)はリズムの強迫と弱拍、オモテとウラがずれて行く複雑で面白い効果をもたらします。繰り返しの部分が独立して見えないよう順次進行で次につなげるとうまくハマります。

2小節以外の幅を持つメロディ

標準的で扱いやすいメロディの長さは2小節ですが、それだけでは単調で飽きが来てしまうのでそれ以外の幅のメロディについてみていきます。

■1小節のメロディ
音符を置ける絶対数が少ないので、音の数を少なくするのがうまくいくコツです。必ず最後に音を伸ばすのがポイント。短い音価を持つ16分音符などで見た目だけは音数を増やすことが出来ます。休符から始まるメロディは特に音数を少なくし、弱起始まりで次につなげる場合は、正式な1拍目からのメロディ本体をたったの1音とするなど音の数を減らします。

■4小節のメロディ
ダラダラ長いメロディだとまとまりがなく感じられるので、最初に大胆に休符を入れたり、最後の音符は早めに伸ばすか休符で切り上げるかして、なるべく小節全体のメロディが占める幅を狭めるとうまくいきます。

クラシックでのメロディ作りのコツ

クラシックスタイルの作曲でのメロディ作りのコツについてみていきます。

■跳躍したら内側に順次進行する
メロディが固まりごとに切れ切れに聴こえるとまとまりがあるように聞こえません。そのため一つ一つのフレーズがしっかりとまとまって聴こえるようにします。跳躍したあとに、更にもっと先へ動いていくメロディは前後が明確に分断されるメロディに聴こえます。そのため幅のある跳躍を行った後に元へ戻るような動きをする事がまとまりを得るためには必須となります。元の調へ跳躍して戻るとその1音が目立ってしまうので、順次進行で元の音へ戻るような動きをするのが最もまとまりを感じさせる音の動きになります。

■トライトーンを目立たせない
メジャースケールでメロディの順次進行の始まりと終わり、折り返しといった目立つ部分には、スケールの中のIIIとVIIの音程であるトライトーン(全3音=半音6個)になってしまうような形は避けたほうが良いでしょう。