パッシングディミニッシュとは

パッシングディミニッシュとは、コードとコードの間を滑らかにつなぐためにディミニッシュコード(dim)を使う方法です。コード構成音が半音の滑らかな流れを作り出すので、聴いていて気持ちよい流れのあるコード進行となります。

パッシングディミニッシュとは

パッシングディミニッシュは概念的にはパラレルモーションと近く、長2度で隣り合った調性内和音同士を繋ぐときに使われます。

パッシングディミニッシュはルートが半音上行していくパターンで使うのが効果的で、実際に上行する時にはいくつかの度数でも自然に使えます。一方で下行する時に使われるのは1種類しかありません。

上行:I-#Idim-IIm、IIm-#IIdim-IIIm7、IVM7-#IVdim-V7、V7-#Vdim-VIm7
下行:IIIm7-♭IIIdim-IIm7

Dm7→E♭dim→Em7だとレ→ミ♭→ミとファ→ファ#→ソの流れが出来ます。その他の音はなるべく動かさないようにします。音を半音で一方向に動かすのがポイントです。ディミニッシュコードは短3度ずつ重なった物なので、ルートが違うだけで同じ構成音を持つコードがあります。CdimとE♭dimとG♭dimとAdimのコードの構成音は同じです。ですので、コードスケールの至る所にディミニッシュコードを挟んで滑らかな流れを作ることが出来ます。

ディミニッシュコードの構成音」と「全音上のディミニッシュコードの構成音」を組み合わせる事でディミニッシュスケールが出来ます。メロディはここから拾い、前後や元のキーとの共通音から持ってくるとスムーズに繋がります。

パッシングディミニッシュは複雑なコード進行の要素である「構成音の関係性のややこしさ」と「度数的な立場からのややこしさ」の両方を兼ね備えています。それなのに手軽に使える、というのがミソです。