今回は4和音(tetrad)のコードの知識についてみていきます。
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三和音と四和音の特徴 ピンポイントで入れる為のコツ
3和音と4和音では複雑さや奥行き感に差があり、楽曲を通してどちらかに統一した方が良いと考えられています。しかし、その統一された中にもピンポイントで4和音、3和音にした方がピタッとくるケースもたくさんあります。その基準は安定感or不安定感のどちらの効果を必要とするかです。
三和音は単純で安心感が増します。ほとんどが四和音の中で三和音を使うことは、曲に安定感を持たせたいときです。そのため主和音で使われるケースが多くなります。
四和音は複雑で不安定感が増します。ほとんどが三和音の連結で続いていく中で、四和音をここぞという場面で使うと効果的になります。多くの場合、V度の属音で四和音は使われます。不安定感が必要となるからです。
コードの連結について
コードの連結では、ある程度指針を決めて作らないと三和音と四和音の混在はまとまりに欠けるものとなってしまいます。
・全てセブンス系のコードでまとめる
この場合、一貫して無難なコード進行になります。特に四和音を使う事に意味を持たせたくない場合はこの方針でいくといいでしょう。
・ボイシング(音の配置)で決める
それぞれの音の繋がり方を重視する考え方です。基本形のコードを連続させるだけではなく、展開させた方が流れがスムーズに行く場合、音の動きが最小限になる形を模索していく中で4和音や3和音を差し込むことがあります。音の配置の仕方を重視してコードを連結させるとある程度のまとまりが出てきます。
トライトーンの解決:「VII→I」と「IV→III」の動き
4度目が加わるとトライトーンが出来る四和音のコードはいくつか存在します。その中でもV7とIIm6の2つのコードは転調することなく調内、ダイアトニックコード内の音と重なります。
トライトーンは6半音の音程ですが、トライトーンが発生した場合、音運動でトライトーンが次のコードのコードトーンに解決するように進行していくのが一般的です。基本的には近寄って長3度の音となるのが最重要とされ、VII→IとIV→IIIへ動くパターンが定石となります。
特にV7→Iは完全な終止感を持つ特別な進行です。
メロディとの関連では
四和音となってもメロディとコードの関係は変わりません。四和音は三和音と違い複雑で緊張感のある音作りが可能です。唯一メジャーセブンスのルートとセブンスの関係には注意しましょう。半音関係で隣り合わないように、ルートとM7の音は離して使いましょう。