もう一度オルタードテンション

もう一度オルタードテンション

オルタードテンションはシンプルなドミナントセブンスコードを飾り立てる役割で知られています。V7が本来持つ不安定の響きを強めるためにオルタードが使われます。使う時はオルタードの音はいわばゲストなので、ゲストが目立つように高音域(舞台でいう上の位置)に配置します。

オルタードテンションとは

ジャズやリズムアンドブルースなど大人っぽいとされる音楽を作るのに活用するのがオルタードテンションです。複雑なコードをノイズでは無く音楽として聴かせるために必要なノウハウです。

調性内で使える#や♭のついていないテンションをナチュラルテンションと呼びます。ナチュラルテンションが半音変化して#や♭がついた調性外のテンションをオルタードテンションと言います。そしてオルタードテンションはドミナントセブンスコード(V7)に対して使われます。

♭9と#9thはルートと3rdの間にあります
Root-♭9-9-#9-3rd

#11thと♭13thは5thを挟んでいます。
#11th-5th-♭13th

半音ぶつかりはNGで、#9を使う場合は目立たないように距離を離したり調整します。オルタードテンションはドミナントコードの働きをより強化するために効果を発揮します。オルタードテンションを使う事でより強い緊張感が出てきます。基本構成音と飾りの音が近い場合は必ず飾りの音を上にして、距離を離してボイシング(配置)します。

オルタードテンションの解決

ドミナントモーションの理論的な裏付け、V7の進行感の動力源はトライトーン音程にあります。このトライトーンは省略できません。つまり必ず3rdと7thは入った形が前提となります。

解決先も決まっており、ドミナント3rdは半音上の主和音のRootに、ドミナント7thは半音下の主和音の3rdに接続します。ドミナントに追加されたオルタードテンションも主和音に向けて解決します。基本的にオルタードテンションは半音下に進んで解決します。

■半音下への解決
ドミナントの
♭9th→主和音の5th
#9th→主和音の6th
#11th→主和音のRoot
♭13th→主和音の9th

半音下の動きの場合、後続する主和音の形は基本形を成さない場合がありますが、これはただでさえ複雑なオルタードテンションのあとにシンプルな主和音の基本形が来ると肩すかしの印象になるのを避ける意味でも許容されています

もちろん、半音上に解決する事も可能なので、鍵盤などでオルタードテンションを含むV7→Iを鳴らして、響きの好きな方を選ぶのが重要です。

■半音上への解決
ドミナントの
♭9th→主和音の6th
#9th→主和音のmaj7th
#11th→主和音の9th
♭13th→主和音の3rd