【コード理論】テンションコードの使い方

今回はテンションを具体的にどのように使っていくのかについて見ていきましょう。

使用法1,核となるメロディ音のサポート

オンコードと同様に、メロディとコードが合っていない場合テンションでそれを補います。テンション音でメロディーのサポートをする訳です。

メロディに対して歌いづらいコード付けで、コードもメロディも変えたくない時にテンションコードが効果的に使えます。

メロディを支える形にコードを調整したり、前後のコードと変化を付けたり使い方は様々です。コードとメロディの関係を良くするためにテンションを使う訳ですね。

使用法2,テンション独自の響きを作り出す

コード進行全体の響きの中にテンションを加える事でテンション独自の響きを作り出すために使います。主にジャズ分野の楽曲でよく使われています。以下の3つの使用法があります。

テンションリゾルブ:テンションリゾルブとは、ノンコードトーンであるテンションやアヴォイドノートの緊張感が一瞬出てきて、直ぐにコードトーンへ解決する緊張と弛緩の心地よい刺激を加えるテクニックです。テンションとアヴォイドを短くするのがポイントです。厳密にはテンションコードとして使うというよりはアドリブや装飾音として使われる場面が多いです。解決する時は2度下のコードトーンに下降して解決した方が解決感が出ます。

ペダルポイント:ペダルポイントはある特定の音を持続させることで独特の響きを作ります。ソプラノペダルポイントはコード上部の音を持続させるペダルポイントで、この持続音が様々なテンションに変化していくことがカッコイイ響きをもたらします。(アボイドノートには気をつけます)。ベースペダルポイントは基本的にはソプラノペダルポイントと同様ですが、ベース音(ルート音)が持続音になります。コードが切り替わることで様々なテンションに自動的に切り替わっていきます。Keyでいう5度の音を持続させる場合が多く、ベース音の持続なのでonコード表記で使われます。

クリシェ:クリシェとは基本のコードを変えず、コード内の一部だけが滑らかに変化していくようなコード進行です。ペダルポイントと似ていますが、コードは変えません。滑らかに変化していく音がテンションになります。トップ音で変化させていくことが効果的で、一方向へ上行したり下降したりすると凄くカッコイイ響きになります。

ベースポイントとクリシェの両方の条件を満たした状況もあります。

意図してテンションを使うというより、コード進行の流れの中で自然にテンションを使っている感覚です。

使用法3,スケールを確定する

コードスケールの知識が豊かになってくると、どのテンションを使うとどのコードスケールが使われているのか確定され、絞り込むことが出来るようになります。

テンションを意識したメロディ

インスト曲や感度の良いボーカルの場合はメロディをコードの一部として捉え、コードでメロディを補完しなくてもメロディ音単独でコード音の一つとして扱えます。例えばCのトライアドコードでメロディがDの場合などがそうです(Cadd9の響きとなる)。

この場合もアヴォイドノートだけは避けましょう。コードの補佐なしにメロディ単独をコードの一部として扱う場合はスケールに沿った音を使うのもポイントです。

ボーカルの場合、「音痴」に聞こえないようにそれなりの技術が必要です。

また、テンションリゾルブを意識したメロディとして、一瞬テンションやアヴォイドノートを使って直ぐにメロディ内で解決する方法もあります。テンションが鳴る時間をコードトーンが鳴る時間よりも短くするのは守ってください。

基本的にはメロディではスケールに沿ったテンション音を使いましょう。テンションリゾルブは一瞬だけ鳴らす原則を守ることでアヴォイドなどスケール以外の音も使えます。テンションからの解決ができるようにまずは目指していきましょう。