音楽を考える上で必ず知っておきたい拍子、拍、リズムの知識についてまとめました。
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拍と小節とは?
私たちは音楽を理解するとき、無意識に頭の中で基準のリズムを刻んでいます。その基準となるタイミングの一つ一つを拍と呼びます。拍は一つの楽曲の間に何百回も現れています。人は細かく分割して認識する傾向があるため、細かな一単位として複数の拍をまとめて捉えています。
最小の単位は行進をする際の左、右という号令(ワン、ツーというかけ声)。これは2拍ずつの繰り返しを意味します。他にもワルツでは3拍をまとめてとらえたり、2拍の組み合わせ二つの4拍でひとかたまりにしたり、リズムのブロックの繰り返しで私たちは音楽を捉えています。この拍を束にしたものを拍子と呼びます。
小節は拍子の束一つ分のリズムを表す
小節は拍の束である拍子で区切られます。例えば、1小節の仲に4つの音符がある状態は4分の1小節分の拍が4つでひとまとまりになっているため4分の4拍子となります。この拍の長さは音符記号によって長さが分けられています。4分音符が使われることが多く、4分音符は拍を表す音符の代表です。4分音符4つぶんのまるまる1小節の長さを表すのが全音符で、その半分の1/2小節分が2分音符です。
4分音符4つで1小節の単位を基準としたものを4/4拍子といいます。とてもよく使われるので「C(コモン)」の文字で表される事が多いです。
○分音符が■個で1小節であるならば、それは■/○拍子ということになります。
拍子とビートについて
全体が何拍子かに関わらず、曲や小節の出だしの1拍目は先頭のタイミングとして強く意識されます。4/4拍子の場合は2拍x2セットなので、3拍目も重要なタイミングとして意識されます。これが強拍と呼ばれるもので、1拍目と3拍目が心理的なアクセントとして機能することを示しています。聴く人にとってはこの心理的なアクセントを感じ取ることで曲の安定感やリズム、ビートを感じる事が出来ます。
4拍子:強・弱・強・弱
3拍子:強・弱・弱
ジャズなどで使われるシンコペーションは、本来次の小節の頭に来るメロディやコードの始まりを先回りして前の小節の弱拍に持ってくるテクニックです。シンコペーションはそのズレのリズムを味わいます。
こうした拍の最小化・細分化したものをビートと呼び、8分音符を基準とすれば8ビート、16分音符を基準にしたものを16ビートと呼びます。ビートはメロディの最小単位で決められてしまう所もあって、メロディだけの状態でもこのビートの呼び名を使います。
楽典の知識
楽典では以下の音符を使い分けて音の長さ(=音価)を示します。
全音符
2分音符
4分音符
8分音符
16分音符
32分音符
符点とは。点(.)が付くことで音の長さが1.5倍長くなる。
音符に点が付いている場合、その点を符点と呼び、点をつけることで1.5倍の長さ(=音符本体の半分の長さを足す)ことを意味します。
ポピュラー音楽で最も使われるのは8分音符。オモテのリズムとウラのリズムの特徴とは
ポピュラー音楽では8分音符が最もよく使われています。8ビートのリズムは使いやすいので、初心者の内は8分音符のリズムで曲を何度も作ってみることが重要です。
拍の最初に現れたものが表で、後に現れたものが裏です。
8ビートの場合、メトロノームで感じることの出来る4拍子の仲に
表・裏,表・裏,表・裏,表・裏
のビートが組み込まれています。
上記のリズムに沿っている、表のリズムをしっかりと踏まえた曲は安定感、安心感、単純さを生み出します。その逆に裏のリズムを強調した曲は複雑さや緊張感を感じることができます。