様々なキーの特徴まとめ&調の選択について

メジャースケールマイナースケール3種これらのスケールをすべて覚え、苦手な調を無くすことがスムーズな作曲活動を行うには欠かせない音楽理論の基礎中の基礎となります。私の作曲の師匠曰く、音楽理論の7割はメジャースケールとマイナースケールをすべて覚えきってしまうことで成し遂げられるとか。

スケール(キー)を全て覚え、使いこなすことは作曲に欠かせない基礎能力

調号がついていないシンプルなCメジャーとAナチュラルマイナーでしか満足に作曲できないとなると、高度な技法を使って作曲することは難しくなり、単調で平凡な曲しか作れなくなるでしょう。もちろん子供向けの分かりやすい童謡的な音楽をつくるのであればそれでも良いのですが、ジャズなど大人に聴かせる複雑な音楽を作ろうとするには様々なキーの特徴を体に染みこませなくてはなりません。

多くの曲のカッコイイと感じる部分には、その調には無い#や♭の音がついていることが多いです。その音は他の調から借りてきている音(一時的に借用している音)であると音楽理論では解釈します。そのためどの調(スケール)から音を借りてきているのか、借りてきた先の調(スケール)の構成音は何かを理解しておく必要があります。

苦手なキーがあればそれを積極的に練習していきましょう。作曲で使ったことがないキーを潰していくようにありとあらゆる調で作曲をしていきましょう。すべてのキーに通じることが作曲上達の道なのです。

スケールやダイアトニックコード一覧については、自作資料を資料・付録ページで公開しているので参考にしてください。

各調(キー・スケール)に対しての印象:個人メモ

以下、各調(キー、スケール)が持っている固有な雰囲気の特徴などを個人的なメモとして残しておきます。人によってもちろん感じる印象は異なります。ぜひ自分自身で調から受ける印象をメモしておきましょう。調から受ける印象をメモする事は必ず役に立ちます。

Cメジャー ハ長調
単純明快・純真無垢、童謡、子供向け楽曲、単純明快、素朴、無装飾

Cマイナー ハ短調
ベートーヴェンが愛好した。 真剣な感情や情熱 鋭い

Dメジャー ニ長調
神聖な感じ 天からくる超自然的な印象

Dマイナー ニ短調
悪魔的な悲しさ、絶望的感情

Eメジャー ホ長調
世俗的な感じ、喜び、楽しさ、低俗感

Fメジャー ヘ長調
牧歌的、過去への回想、穏やかな喜び、回顧

Fマイナー ヘ短調
不思議で幻想的で夢のような感じ、悲しくも美しい印象

Gメジャー ト長調
癒やすような大自然、力強さ

Gマイナー ト短調
無気力さ

Aメジャー イ長調
情熱的、ストレートな希望、未来志向 明るい情熱

Aマイナー イ短調
悲しみ、切なさ

Bメジャー ロ長調
不思議な輝きと神聖さ

Bマイナー ロ短調
救いのある悲しみ、失望感

#系の楽曲
明るく、盛り上がる感じ

♭系の楽曲
柔らかい印象

調の選択は意図に基づく

作曲は調選びから始まっているのかもしれません。もちろん自分の得意な調で作ってから移調をする方法もありますが、調が違うだけで聴いたときに受ける印象はだいぶ違うもの。

調は何らかの意図に基づいて決定されます。作曲家によって、好みの調があります。世界観を表現する上でその調が持つ雰囲気を知ることはとても重要です。何かしら自分で調に対してのイメージを持つことができれば調の選択で悩むことも少なくなります。

特にBGM制作では、表現したい雰囲気が決まっているので調のイメージを手がかりとして曲を膨らませることも可能です。たくさんの楽曲に触れたり演奏したりして音の経験値を積むことで、調に対する印象を自分なりに確立していきましょう。

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調と音階1 メジャースケール(長調/Dur)
調と音階2 ナチュラルマイナースケール(自然的短音階/moll)
資料・付録:メジャーマイナースケール全てを一覧にしています。

参考・出典

・「作曲基礎理論 〜専門学校のカリキュラムに基づいて〜」 井原恒平 (Amazon)