コードスケールとは コードごとに独自のスケールを当てはめる考え方

コードスケール

スケールとは音が規則的に並んだもの。コードは調性というスケールの土台があって成り立ちますが、ダイアトニックスケールを基準とするとaugやdim7などの歪みがあるコードはいつまで経っても使えない存在になってしまいます。クリシェなどで流れの中で自然と調性外の音が使えることはありましたが、その時のスケールは何のスケールに根ざしているでしょう?コードスケールとはメジャーやマイナーと言ったダイアトニックの調性の概念をとりあえず脇に置き、コードごとにどういう音列を使ってメロディを作るのかを突き詰めた考えです。いわばコードごとに独自のスケールを設定する考え方です。

コードごとに独自のスケール

Cメジャーはドレミファソラシドという音列を持ちますが、Dmのコードではレが中心に、Gの時はソが中心に聞こえます。ルートの音が中心であるように私たちは知覚します。それぞれ従う音列はドレミファソラシドですが、コードごとにレミファソラシドレ、ソラシドレミファソと一時的ではありますがコードのルートの音が中心となるのがポイントです。調性の観点でみるとバックボーンであるCメジャーばかりを論点としていましたが、コレをコードごとに独自に考えるのがコードスケールです。

■会社組織で例えるコードスケール
会社で例えるなら Cメジャー株式会社があるのであれば、C,Dm,Em,F,G,Am,Bm(b5)という社員がいて、さらに一時的転調のセカンダリードミナントであるD7はGという部長の部下、派遣社員で連れてこられたもの、という感じで力関係があります。Cメジャー株式会社に注目しているのがメジャーやマイナーといった調性で、それぞれの単独の社員であるDmやらEmやらのコードの活躍に注目したのがコードスケールです。

スケールは作曲者が決める。

私たちは西洋音楽の音列に慣れているため、西洋音楽の特徴である長2度と短2度の2種類の間隔、長2度の連続はあるが短2度の連続は許容しないという特徴を持った音列を自然に感じます。一般的にダイアトニックコードと呼ばれているスケールは西洋の音階のことを言います。このスケールの間隔をアレンジすると民族風、エスニックな異国情緒ある感覚を作り出すことが出来ます。

その時々で使ったコードの構成音を全て含んだ上で、上記の西洋音階の標準的とされる特徴を持つものがコードスケールの原点です。結果的には各メジャーとマイナー3種のスケールをコードのルートから並べ替えた物が広く一般に知られているコードスケールになります。

コードスケールについては以下の記事もご参考ください。
【詳細解説】コードスケールとは
【初学向け】コードスケールの使い方を分かりやすく解説
コードの種類別使えるコードスケールのまとめ
V7ドミナントセブンスコードのコードスケールについて
コードスケール(モード)とブルーノートについて

スケール第一。聴く人の印象でスケールは決まる。

調性という概念は抽象的で、曖昧な物です。直接耳に訴えてくるのはコードやメロディであり、聴く人はそこから調を類推しているに過ぎません。類推したスケールによってそのコードの立ち位置や役割、ディグリーが異なるわけですから、スケールが何かをまずは決めてからコードの役割を決める事になります。